CTとMRIの意味や違いは?使い分け方・料金や体への影響も気になる

医学というかテクノロジーの進歩は目覚ましく、外見からはわからない病気を探るために人間を生きたまま輪切りにすることができるようになりました。

と言うと「えっ?!」と驚くかもしれませんが、「CT」と「MRIは正に人間を断面で見ることができる検査技術です。

この2つの違いは、「CT」はX線を使い、「MRI」は磁気と電波を使っていること。

何を使って断面を見るかが違う、ということのようですが、果たしてその違いとは?両者の決定的な違いをチェックしてみましょう。

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2つの画期的な検査技術の違い

CTとは、コンピューター断層撮影法(Computed Tomography)のことです。正に身体の「断層(断面)」を撮影する検査ですが、そのためにX線という放射線を使います。

X線は身体の組織や臓器によって通り抜けやすさが違うので、どのぐらいの線量が通り抜けたか通り抜けないかの差を画像として処理するのです。

病変があるような場合には正常な場合とX線の通り抜け方が変わります。

画像を見れば

  • どの部位に異常があって
  • どれ位の規模に症状が広がっているのか

などのことが分かります。

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もうひとつのMRIとは、核磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging)の略で、強力な電波と磁気を使う検査方法です。

難しい名前ですが、この検査方法で鍵になるのは水分。

人の身体は大量の水分(成人で約60~65%、老人で50~55%)を含んでいるので、MRIは体内の水分(正確に言えば水素原子)の状態を情報として処理し、画象化します。

このMRI、とても優れた検査方法なのですが、細胞内の水分量によって「見えやすい部分」と「見えにくい部分」があります。

似ているようで異なるこの2つの検査技術の特徴を簡単に比較すると、下表のようになります。

CT MRI
撮影原理 放射線(X線)による照射 電波と磁気による水素原子の共鳴
得意な部位 脳、肺、腹部、骨など

水分が少なく硬い部分

脳、脊髄、筋肉、間接、内臓など水分の多い部分、骨は写らない
撮影可能な面 横断面 任意の断面
放射線被ばく
検査時間 短い 長い
注意事項 微量であっても被ばくするため妊婦や子供への使用は注意 磁気が強い環境下での検査になるので体内にペースメーカーなど金属が入っている場合は検査できない

閉所恐怖症で装置に入ることに不安感を覚える人もいる

つまり、状況や用途・患者の状況に応じて使い分けるということになりそうですが…。はたしてどうなのでしょう?

CTとMRIの使い分け方は?

身体の部分によって水分の含有量が違うので、医師は対象となる部位や状況、目的によりCTとMRIの特性を考慮しながら検査方法を使い分けています。

上表で、両方の検査の得意な部位に「脳」が入っているのに気づかれました?

脳はなかなか切り開いてみることができないので画像所見が必須ですが、CTとMRIでは見えるもの(見え方)が変わります。
(画象挿入)

CTに向いている検査方法

脳の外傷や脳出血があるような状況を探るにはCTが威力を発揮します。

特に、脳出血やくも膜下出血など脳内での出血を伴う場合、はっきりと病変部がわかるそう。

脳内の血流が止まって脳細胞が死んでしまった場合には映る色が変わるので、時間経過を確認するため繰り返しCT検査を行うこともあります。

MRIに向いている検査方法

MRIは検査条件を変えることで色々な角度や画像を撮ることができる点が、CTと大きく異なります。

また、全体像が把握できるので脳梗塞や脳動脈瘤など内部の症状を探るのにはMRIが向いているといわれます。

CTでは画像が乱れてしまう脳の下の方にある小脳や脳幹といった骨に囲まれた部位は、MRIだと小さな病変も確認することができます。ただ、感度が良すぎるのが災いして、異常がない部分も病変のように見えてしまうこともあるので慎重な判断を要することになります。

できるだけ精度の高い診断が行うため、どのような位置にどんな異常が起こっているのかによって、適していると考えられる検査方法が使われます。

状況によっては、両方の検査が使われることもあるようです。

検査が受けられない人も

どちらもとても便利な検査技術ですが、上表の注意事項に記載したように検査ができない場合もあります。

金属物はNG

MRIは強力な磁気を使うので、金属が体に入っていると画像が乱れてしまいます。

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  • アクセサリー
  • ペースメーカー
  • インプラント
  • 医療用ボルト
  • 金属製いれば
  • 化粧品

などは基本的にNGです。

アクセサリーなど身につけている金属は外せても、ペースメーカーや歯科矯正によるインプラント、骨折をつなぐボルトなど外科手術で体内に金属を入れた場合には外せませんので、検査が受けられません。

金属製の入れ歯もダメです。また、化粧品によっては金属を含んでいるものもあるので、MRI検査を受ける時にはノーメイクの方が無難です。

もうひとつ、検査前には確認されますが、ピアスも忘れがちなので注意して下さい。

閉所恐怖症の場合にも注意

閉所恐怖症の方がMRIで不安を覚えのるのは、MRIの装置が筒のような中に割と長い時間「閉じ込められる」様な状況になるからです。

ちなみに筆者の知人には閉所恐怖症の人がいて「心臓が止まるかと思った」と言っていました…。

狭いエレベーターも嫌いで、ドアが閉まる瞬間に緊張するという繊細な神経の彼女は、MRIに入っている間中、検査員に異常を知らせるボタンを握りしめたまま生きた心地がしなかったそうです。筆者は鈍感なので全く気にならないのですが、寝不足のままMRI検査に赴き、失態をしでかしたことがあります。

薄暗い筒内に入った途端、
轟音にも関わらず爆睡してしまい…

終了時にあわてた検査員にゆり起されてしまいました。笑

検査が終わっても動かなかったので驚いたそうです。ごめんなさい。

CTもMRIも受けたことがないという方は、工事現場に置かれたドラム缶程度の筒の中に寝転がっているところをイメージしてもらうと遠からず、です。

CTはMRIに比べれば時間も短いし静かですが、微弱ではあるもののX線を使うので妊婦さんには使えません。

まとめ

頭蓋骨にすっぽり覆われている脳の働きは長い間謎でしたが、20世紀後半になってCTとMRIという脳の内部で起こっていることを画像として見る検査法が確立したことで、脳の研究は飛躍的に進歩しました。

近年は健康診断の一環で「脳ドック」が受けられるようになってきています。費用負担は健康保険組合によって異なりますが、概ね50歳以上の方の受診が推奨されており、自覚症状の無い脳梗塞や動脈瘤、認知症の早期発見に役立ちます。

家族に高血圧、糖尿病、肥満、脳卒中などにかかった人がいる場合には、危険因子を持っている可能性がありますので、年齢の節目に受診を検討してみてはいかがですか。

原理や特性がわからなくても、発症を防ぐための予防として脳ドックを受診し、できるだけ健康な日々を送ることができれば良いのではないでしょうか。

自分の脳の状態を知る機会に、進歩の目覚ましい検査技術の恩恵にあずかりましょう!

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